投資用不動産の稼働率

どの不動産オーナーも、投資用不動産の稼働率はできるだけ高く維持したい。

不動産は投資額が大きいので、銀行などから借り入れをして、レバレッジを効かせて投資している場合が多いから、リターンにもレバレッジが効くが、空損のダメージにもレバレッジが効く。

全貸室のうち何部屋が空室なのか、また、賃借人の退去後に、原状回復工事をしたり、入居者を募集したりする期間も長くなると、稼働率が下がり、賃貸経営の採算が悪くなる。

 

一部の地主さんなど、借金のない人のなかには、気に入った借主だけ入居させるという仲介屋さん泣かせの変わったオーナーさんもいるが、こういうオーナーさんは好みの入居者を面接して入れたら良い。まあ、こういう人たちは、また別に相続対策という重い課題が生涯かけて解決しなければならないので、これはまたいずれ記事にしようと思う。

 

ただ、人口が増えていた高度成長期までは住宅が足りていなかったから、稼働率はそんなに考えなくても入居者はたくさんいた。だから貸主が圧倒的に強かった。だいたい、大家さんといえば、怖いオジサンか、うるさいオバさんのイメージだった。

若くて美人の未亡人が管理人のボロアパートなど、探してもどこにもない。

昔は、借主はとても立場が弱かったのだ。

特に、地方から都市部に働きにきた若者は、簡単に家を借りられなかったから、親御さんが保証人になって、

「うちの倅をよろしくたのみます」

といって、家主に渡したお金が、礼金という慣習になったといわれている。

こういう弱い立場を守るのは法の役割で、借地借家法はその当時に施行され、弱い立場の借主を守るようなつくりになっている。

しかし、その後、日本の人口が頭打ちになった1990年代頃からは、貸主と借主の立場が逆転した。今度は住宅は余りだして、借主の立場が強くなった。

逆襲の借主である。

昨今では、空家が社会問題化しているくらいだが、それでも借地借家法はその後も大きな改正をしていない。

 

また、家賃を滞納している入居者がいても、そう簡単に退去させることできない。法的措置をとっても、長引けば退去させるまで半年以上かかる場合もあるし、その間は家賃も入らず、滞納家賃がその後に回収できる見込みはほとんどなく、君は終局の涙を見る・・・。

貸主と借主のパワーバランスが変わったのだから、時代にあった制度に作りなおすべきだというのが私見ではあるが、この話しはまたいずれ。

 

話しはもどして、稼働率は重要な課題であり、入居者が入らない物件は、不動産投資には死活問題なのだ。供給過剰な賃貸住宅のなかで、いかに入居者に選んでもらうか。

 

賃料を下げれば入居者は集まるが、そんな解決策では猿でもわかるシリーズだ。

投資してる以上は、投資効率は最大限にしなければならない。

それには、いかに入居者に魅力的な賃貸物件にするか、リフォームとリノベーションの違いは何か、共用部分の管理ノウハウ、建物維持の費用コントロール、入居者のさまざまなトラブル。

また、仲介屋さんに優先的に入居者を紹介してもらうにはどうするか。

稼働率を維持するには、それなりの経験と、いろんな分野の専門知識が必要なのだ。

詳細はまたいつか。